フランチャイズ展開の方法|FC本部の立ち上げ8ステップと法定開示書面(23項目)・契約書の作り方【2026年最新】

「自社の店舗やサービスをフランチャイズで広げたい」と考えたとき、何から手をつければよいのでしょうか。FC展開では、加盟金やロイヤリティの設計だけでなく、加盟希望者に契約前に交付する「法定開示書面」の作成など、法律に沿った準備が欠かせません。
本記事では、これからFC展開を考える事業者に向けて、直営店のモデル確立から、FCパッケージの設計、商標登録、マニュアル・SV体制、法定開示書面(23項目)とFC契約書の作成、加盟店募集、開業支援までを8つのステップで解説します。
この記事でわかること
- フランチャイズ展開の全体像と8つのステップ
- 法定開示書面(中小小売商業振興法)の対象と記載事項23項目
- 公正取引委員会のガイドラインで注意すること
- 加盟店の集め方と、よくある失敗の防ぎ方
この記事の結論
フランチャイズ展開は、①直営店で再現できる収益モデルの確立、②加盟金・ロイヤリティなどFCパッケージの設計、③商標登録とノウハウ保護、④マニュアル・研修・SV体制、⑤法定開示書面とFC契約書の作成、⑥モデル収支と募集資料、⑦加盟店募集、⑧審査・契約・開業支援の8ステップで進めます。小売・飲食などの特定連鎖化事業を行う本部は、中小小売商業振興法第11条により、契約前に23項目を記載した書面を交付・説明する義務があります。サービス業でも公正取引委員会のガイドラインに沿った開示が望まれ、予想売上を示す場合は根拠を示す必要があります。
目次
- フランチャイズ展開とは|本部になる前に知っておきたいこと
- FC展開の全体像|本部立ち上げまでの8ステップ
- STEP1|直営店で「再現できる」収益モデルを確立する
- STEP2|FCパッケージ(加盟条件)を設計する
- STEP3|商標登録とノウハウの保護
- STEP4|マニュアル・研修・スーパーバイザー(SV)体制をつくる
- STEP5|法定開示書面とFC契約書を作成する
- STEP6|モデル収支と募集資料をつくる
- STEP7|加盟店を募集する
- STEP8|加盟審査・契約・開業支援
- FC展開でよくある失敗と防ぎ方
- まとめ|「再現できるモデル」と「誠実な情報開示」がFC展開の土台
- フランチャイズ展開に関するよくある質問(FAQ)
1.フランチャイズ展開とは|本部になる前に知っておきたいこと
フランチャイズ展開とは、自社の店舗やサービスで確立した商売の仕組み(商標・ノウハウ・商品)を、加盟店(フランチャイジー)に提供して営業してもらい、その対価として加盟金やロイヤリティを受け取る事業の広げ方です。他社の資本と人材を使って、直営より速く店舗を増やせるのが最大のメリットです。
| 直営展開 | フランチャイズ展開 | |
|---|---|---|
| 出店資金 | 本部がすべて負担 | 主に加盟店が負担 |
| 出店スピード | 資金と人材に左右される | 加盟店が集まれば速い |
| 本部の収益 | 店舗の利益すべて | 加盟金・ロイヤリティ・商品供給など |
| 運営のコントロール | 直接管理できる | 契約・マニュアル・SVで統一する |
| 主な義務 | 労務・店舗管理 | 契約前の情報開示、継続的な指導、ブランド管理 |
一方で、本部には加盟店の事業を支える責任があります。加盟店は独立した事業者であり、本部との取引には独占禁止法が適用されます。小売・飲食などでは、中小小売商業振興法により契約前の書面交付と説明も義務付けられています。この記事では、FC本部を立ち上げるまでの道筋を8つのステップで解説します。直営店と加盟店の違いは「フランチャイズと直営店の違い」も参考にしてください。
2.FC展開の全体像|本部立ち上げまでの8ステップ
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 直営店で収益モデルを確立 | 直営店で利益が出る仕組みをつくる | 立地や担当者が変わっても再現できるか |
| 2. FCパッケージを設計 | 加盟金・ロイヤリティ・保証金・研修・契約期間・商圏を決める | 加盟店が投資を回収できる設計か |
| 3. 商標・ノウハウを守る | 商標登録、秘密保持の仕組み | 加盟店に使わせる商標を自社で押さえる |
| 4. マニュアル・研修・SV体制 | 運営マニュアル、開業研修、スーパーバイザー | 誰がやっても同じ品質にできるか |
| 5. 法定開示書面と契約書 | 開示書面・FC契約書・誓約書などの作成 | 法定記載事項と、独禁法上の注意点 |
| 6. モデル収支と募集資料 | モデル収益・資料・説明会の準備 | 根拠のある数字だけを示す |
| 7. 加盟店募集 | 募集サイト・説明会・紹介で集める | 加盟希望者に十分な検討期間を |
| 8. 審査・契約・開業支援 | 書面交付と説明→契約→研修→開業→SV | 開業後の支援が継続の鍵 |
2 - 1.STEP1|直営店で「再現できる」収益モデルを確立する
フランチャイズ展開の出発点は、直営店で利益が出る仕組みを確立することです。法律で直営店の店舗数が決められているわけではありませんが、「オーナーが優秀だから儲かっている」状態では、加盟店では同じ結果が出ません。複数の立地や、オーナー以外の店長でも同じ成果が出るかを確かめましょう。
- 売上・原価・人件費・家賃などの収支を、店舗ごとに記録しておく(モデル収支の根拠になります。加盟店が増えると、法定開示書面に立地条件が類似する加盟店の直近3事業年度の収支を記載する必要があります)
- 初期投資額と、投資を回収できるまでの期間を把握する
- 人手不足や営業時間など、運営上の課題も記録しておく(募集時の説明に必要)
2 - 2.STEP2|FCパッケージ(加盟条件)を設計する
加盟店に提供するもの(商標・ノウハウ・商品・指導)と、受け取る対価を決めます。本部の収益と加盟店の利益のバランスが取れているかが最も重要です。
| 項目 | 決めること | 参考データ |
|---|---|---|
| 加盟金 | 加盟時に受け取る金額と、その性質(ノウハウ提供・研修の対価など)、返還の有無 | ビズリサーチの調査では、募集中のFC(加盟金が分かった247チェーン)の加盟金は平均約176万円、中央値150万円、0円のチェーンも30 |
| ロイヤリティ | 売上歩合・粗利分配・定額など算定方法と、徴収時期・方法 | 算定方法は誤解のないよう定義を明確に |
| 保証金 | 預かる金額と返還の条件 | 返還条件は書面で明確に |
| 研修・指導 | 開業前研修の内容、開業後の指導方法と回数 | 法定開示書面の記載事項 |
| 契約期間・更新・解約 | 期間、更新条件、中途解約の条件と違約金 | 加盟店が投資を回収できる期間か |
| 商圏・出店 | テリトリー(商圏保護)の有無、近隣出店の方針 | ドミナント出店の有無は開示事項 |
業種別の相場は「フランチャイズの加盟金・ロイヤリティ相場」「フランチャイズ加盟金・開業資金の実態調査2026」で詳しく紹介しています。
2 - 3.STEP3|商標登録とノウハウの保護
加盟店に使わせる店名・ロゴ・サービス名は、特許庁に商標登録して自社の権利にしておくことが欠かせません。他社が先に登録していると、加盟店に使わせることができなくなるおそれがあります。出願前にJ-PlatPat(特許情報プラットフォーム)で同じ・似た商標がないかを確認しましょう。
レシピや運営ノウハウ、顧客情報などは、FC契約やマニュアルに秘密保持の条項を入れて守ります。契約終了後の競業禁止も設定できますが、公正取引委員会は「ノウハウの保護等に必要な範囲を超える地域・期間・内容の競業禁止」は優越的地位の濫用にあたり得るとしています。範囲は必要最小限にしましょう。
2 - 4.STEP4|マニュアル・研修・スーパーバイザー(SV)体制をつくる
- 運営マニュアル:接客、商品・サービスの提供方法、衛生、発注、清掃、トラブル対応など
- 開業前研修:座学と店舗での実地研修。法定開示書面にも「研修の有無と内容」を記載します
- スーパーバイザー(SV):開業後に加盟店を定期的に訪問・面談し、経営指導を行う担当者。法定開示書面には「継続的な経営指導の方法と実施回数」を記載します
- 本部の管理体制:受発注・売上管理・ロイヤリティ請求の仕組み、加盟店からの相談窓口
マニュアルとSVの質は、加盟店の成功率と継続率に直結します。「指導の回数・方法」は契約前に約束する内容なので、実際に実行できる体制を整えてから募集を始めましょう。
3 - 1.法定開示書面とは|中小小売商業振興法第11条
中小小売商業振興法第11条は、特定連鎖化事業を行う本部に対し、加盟しようとする者と契約を結ぶ前に、決められた事項を記載した書面を交付し、その内容を説明することを義務付けています。この書面が「法定開示書面」です。
| 対象(特定連鎖化事業) | 主に中小小売商業者(小売業。飲食を含む)を加盟店とし、定型的な約款による契約に基づいて、継続的に商品を販売・販売のあっせんをし、経営指導を行う事業のうち、加盟店に特定の商標・商号などを使わせ、加盟時に加盟金・保証金などの金銭を徴収するもの |
|---|---|
| 交付・説明の時期 | 契約を締結する前 |
| 違反した場合 | 主務大臣が勧告し、従わない場合は公表されることがある(同法第12条) |
サービス業のFCも「開示しなくてよい」わけではありません
学習塾・ハウスクリーニング・介護などのサービス業や、商品供給が契約の条件になっていない飲食店などは、法律上の「特定連鎖化事業」にあたらない場合があります。しかし中小企業庁は、該当しない場合でも重要事項を事前に書面で開示・説明することが重要としており、公正取引委員会もすべての業種のFCについて、契約前に開示することが望ましい項目を示しています。業種にかかわらず、開示書面は作成しましょう。
3 - 2.法定開示書面の記載事項(23項目)
記載事項は、法第11条第1項に定められた5項目と、中小小売商業振興法施行規則第10条に定められた18項目の、計23項目です。
| 区分 | 記載事項 |
|---|---|
| 本部の概要 | ①本部の名称・住所・従業員数・役員 ②資本金・主要株主・他に行っている事業 ③子会社の名称・事業 ④直近3事業年度の貸借対照表・損益計算書 ⑤事業の開始時期 |
| 加盟店の状況 | ⑥直近3事業年度の加盟店の店舗数の推移(期末店舗数、新規開業数、解除数、更新・非更新数) ⑦立地条件が類似する加盟店の直近3事業年度の収支(売上高、売上原価、本部に定期的に支払う金銭、人件費、販管費など)と、類似と判断した根拠 ⑧直近5事業年度の加盟店との訴訟件数 |
| 営業の条件 | ⑨営業時間・営業日・休業日 ⑩近隣に同じ・類似の店舗を出す(ドミナント出店)規定の有無と内容 ⑪契約中・契約後の競業禁止など営業制限の規定 ⑫契約中・契約後の秘密保持の規定 ⑬店舗の構造・内外装に関する特別な義務 |
| お金に関すること | ⑭加盟金・保証金など加盟時に徴収する金銭(額、性質、時期、方法、返還の有無と条件) ⑮定期的に徴収する金銭(ロイヤリティなど。額または根拠を明らかにした算定方法、性質、時期、方法) ⑯売上金の送金の時期・方法 ⑰加盟店への貸付け・あっせんの利率など ⑱債権債務の相殺の残額に付す利息の条件 ⑲契約違反の場合に生じる金銭の額・算定方法 |
| 商品・指導・商標 | ⑳商品の販売条件(商品の種類、代金の決済方法) ㉑経営指導(加盟時の研修の有無と内容、継続的な経営指導の方法と回数) ㉒使わせる商標・商号と、使用の条件 |
| 契約 | ㉓契約の期間、更新の条件と手続き、解除の要件と手続き、解除により生じる損害賠償金の額・算定方法 |
※中小小売商業振興法第11条第1項、同法施行規則第10条・第11条をもとに編集部が整理。正確な記載方法は条文と施行規則で確認してください。
施行規則第11条では、加盟金やロイヤリティ、収支などの項目ごとに「少なくとも記載しなければならない内容」が細かく定められています。特に「立地条件が類似する加盟店の収支」は、本部が加盟店の数値を把握していないと作れないため、加盟店の売上・費用を集める仕組み(POSや報告ルール)を最初から用意しておくことが大切です。
3 - 3.独占禁止法(公正取引委員会のガイドライン)で注意すること
公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(2021年4月改正)は、加盟店募集と契約後の取引について、独占禁止法上問題となる行為を示しています。
| 場面 | 注意すること |
|---|---|
| 開示する情報 | 法定事項に加え、仕入先の推奨制度、指導の内容・回数・費用、ロイヤリティの算定方法、損失補償や経営不振時の支援の有無、中途解約の条件、ドミナント出店の方針なども開示することが望ましい |
| 予想売上・予想収益 | 示す場合は、類似店舗の実績など根拠ある事実と合理的な算定方法に基づき、その根拠を示す必要がある。既存店の平均から作ったモデル収益は「予想ではない」ことが分かるように明示する |
| 経営に悪影響のある情報 | 人手不足や人件費の高騰など、その時点で分かっている情報は提示することが望ましい |
| 虚偽・誇大な開示 | 実際より著しく有利だと誤認させて加盟を誘うと「ぎまん的顧客誘引」にあたる |
| 契約後の取引 | 正当な理由のない仕入先の限定、仕入数量の強制、事前の取決めに反するドミナント出店、必要な範囲を超える競業禁止などは「優越的地位の濫用」にあたり得る |
| 販売価格 | 本部が商品を供給する加盟店の販売価格を拘束することは、原則として「再販売価格の拘束」にあたる(希望価格の提示は可) |
同ガイドラインは、加盟希望者が十分に検討できる期間を置いて書面を交付・説明することが望ましいとしています。契約当日に書面を渡すのではなく、余裕をもって交付しましょう。FC契約の注意点は「フランチャイズ契約の注意点|確認すべき12項目」でも解説しています。
3 - 4.FC契約書と、そのほかに用意する書類
- フランチャイズ契約書:商標の使用許諾、指導・援助、加盟金・ロイヤリティ、商品供給、契約期間・更新・解除、違約金、競業禁止、秘密保持など
- 法定開示書面(重要事項説明書):契約前に交付・説明。受領の確認書(署名)をもらっておく
- 秘密保持誓約書:説明会や商談で資料を渡す前に
- 加盟申込書・審査書類:資金計画、経歴、出店予定地など
- 運営マニュアル・研修資料:契約後に貸与
開示書面や契約書は、フランチャイズに詳しい弁護士に確認してもらうことをおすすめします。業界団体の日本フランチャイズチェーン協会(JFA)も、情報開示に関する自主基準を設けています。
4.STEP6|モデル収支と募集資料をつくる
加盟希望者が最も知りたいのは「いくら投資して、いくら残るのか」です。直営店・加盟店の実績をもとに、初期投資の内訳、月の売上・費用・ロイヤリティ・利益のモデルを作りましょう。
- モデル収支は「既存店の実績の平均から作ったモデル」であり、出店予定地の予想売上ではないことを明示する
- 良い店舗だけを集計せず、集計の対象と方法を示す
- ロイヤリティの算定方法(何に何%をかけるか)は、定義まで明確に書く
- 人手不足や営業時間など、運営上の課題も正直に伝える
募集資料(パンフレット)には、ビジネスの強み、加盟条件、開業までの流れ、本部の支援内容、モデル収支、FAQを入れると、資料請求後の商談が進みやすくなります。
5.STEP7|加盟店を募集する
加盟店の主な集め方は、FC募集サイトへの掲載、説明会・展示会、既存加盟店や取引先からの紹介、自社サイト・広告の4つです。最初の加盟店は、ビジネスとの相性が良い事業者に絞って集めると、成功事例を作りやすくなります。
| 集め方 | 向いているケース |
|---|---|
| FC募集サイトへの掲載 | 幅広い加盟希望者に情報を届けたい。資料請求から商談につなげたい |
| 説明会・展示会 | 直接話して信頼を得たい。高額投資の業態 |
| 紹介 | 既存の加盟店・取引先との関係を活かしたい |
| 自社サイト・広告 | ブランドの認知がある。自社で集客の仕組みを持っている |
詳しくは「フランチャイズ加盟店の集め方」「フランチャイズ募集サイトおすすめ10選」で解説しています。
既存事業を持つ法人に加盟してもらうなら
ビズリサーチは、会員を法人・個人事業主に限定したFC加盟店募集・代理店募集サイトです。開業前の個人は登録できないため、すでに事業を営み、業態を増やしたい法人や個人事業主に募集情報を届けられます。掲載料金は定額プラン(月額25,000円)と成果報酬プラン(資料請求1件5,000円、月額上限50,000円)から選べます。
6.STEP8|加盟審査・契約・開業支援
- 資料請求・説明会:事業内容とモデル収支を説明する
- 個別面談・審査:資金計画、経験、出店予定地、事業への考え方を確認する
- 法定開示書面の交付と説明:十分な検討期間を置く
- FC契約の締結:加盟金の入金
- 物件・出店準備:立地調査、内外装、許認可の取得支援
- 開業前研修:マニュアル・実地研修
- 開業・オープン支援:オープン時の応援、販促
- 開業後のSV:定期訪問、数値分析、改善提案
加盟店の業種によっては、飲食店営業許可や古物商許可などの許認可が必要です。本部として取得の流れを案内できるようにしておきましょう(「許認可・届出が必要な事業一覧」)。
7.FC展開でよくある失敗と防ぎ方
| 失敗 | 防ぎ方 |
|---|---|
| 直営店の成功を過信して、再現性を確かめずに募集した | 複数店舗・複数の担当者で同じ成果が出るか確認してから募集する |
| ロイヤリティが高すぎて加盟店が赤字になった | 加盟店の手残り利益と投資回収期間から逆算して条件を決める |
| SVの人数が足りず、加盟店を支援できない | 加盟店数に応じたSV体制を計画し、募集ペースを調整する |
| 開示や説明が不十分で、トラブル・訴訟になった | 法定開示書面と、ガイドラインで望ましいとされる項目を十分な期間を置いて説明する |
| 商標を登録しておらず、店名が使えなくなった | 展開前に商標を出願・登録する |
加盟店側から見た失敗の原因は「フランチャイズで失敗する7つの原因」でまとめています。本部側も同じ視点で、加盟店が失敗しない仕組みを用意しましょう。
8.まとめ|「再現できるモデル」と「誠実な情報開示」がFC展開の土台
フランチャイズ展開は、直営店で再現できる収益モデルをつくり、加盟条件・商標・マニュアル・SV体制を整え、法定開示書面とFC契約書を準備したうえで加盟店を募集する、という順番で進めます。小売・飲食などの本部には、中小小売商業振興法により契約前の書面交付と説明が義務付けられており、それ以外の業種でも公正取引委員会のガイドラインに沿った開示が望まれます。誠実な情報開示は、加盟店との信頼とトラブル防止の土台です。
■ 参考資料・出典
9 - 1.フランチャイズ展開の方法・手順は?
直営店で再現できる収益モデルを確立し、加盟金・ロイヤリティなどのFCパッケージを設計、商標登録とマニュアル・研修・SV体制を整えます。そのうえで法定開示書面とFC契約書を作成し、モデル収支と募集資料を用意して加盟店を募集、審査・書面交付と説明・契約・開業支援へと進みます。
9 - 2.法定開示書面とは何ですか?
中小小売商業振興法第11条に基づき、特定連鎖化事業(小売・飲食などのフランチャイズ)を行う本部が、加盟しようとする者に契約締結前に交付し、説明しなければならない書面です。本部の概要、加盟店の店舗数の推移、類似店舗の収支、加盟金やロイヤリティ、契約期間・解除などを記載します。
9 - 3.法定開示書面の記載事項はいくつありますか?
中小小売商業振興法第11条第1項の5項目と、同法施行規則第10条の18項目の計23項目です。施行規則第11条では、加盟金やロイヤリティ、類似店舗の収支などについて少なくとも記載すべき内容が定められています。
9 - 4.サービス業のフランチャイズも開示書面は必要ですか?
法律上の特定連鎖化事業にあたらない場合は交付義務はありませんが、中小企業庁は重要事項を事前に書面で開示・説明することが重要としており、公正取引委員会もすべての業種のフランチャイズについて契約前の開示が望ましい項目を示しています。業種にかかわらず作成することをおすすめします。
9 - 5.加盟希望者に予想売上を示してもよいですか?
示す場合は、類似した環境にある既存店舗の実績など根拠のある事実と合理的な算定方法に基づき、その根拠を示す必要があります。既存店の平均から作ったモデル収益は、予想売上ではないことが分かるように明示しましょう。根拠のない数字は「ぎまん的顧客誘引」にあたるおそれがあります。