酒類販売業免許の取り方【2026年最新】|一般・通信販売・卸売の違い、要件・登録免許税3万円・必要書類から免許後の義務まで完全解説

お酒を継続して販売するには、酒税法にもとづく酒類販売業免許が必要です。販売する場所(販売場)ごとに、所在地を管轄する税務署長の免許を受けます。店頭販売・ネット通販・卸売など、売り方によって必要な免許の種類が変わります。
本記事では、国税庁の「酒類販売業免許の申請の手引」などの公的情報をもとに、免許の種類の選び方、要件、必要書類、申請の流れ、免許後の義務までを順番に解説します。
この記事でわかること
- 酒類販売業免許の種類(一般・通信販売・卸売)と選び方
- 飲食店でのテイクアウト販売に免許が必要かどうか
- 免許の4つの要件(人的・場所的・経営基礎・需給調整)
- 登録免許税・標準処理期間・必要書類・申請の流れ
- 酒類販売管理者の選任と、免許後の義務
この記事の結論
お酒を販売するには、販売場ごとに税務署長の酒類販売業免許が必要です。店頭で消費者や飲食店に売るなら一般酒類小売業免許、2つ以上の都道府県の消費者にネット等で売るなら通信販売酒類小売業免許、酒販店や飲食店に卸すなら卸売業免許が必要です。申請手数料はなく、免許時に登録免許税(小売3万円・卸売9万円)を納めます。標準処理期間は2か月。販売開始までに酒類販売管理者を選任し、免許後は記帳と毎年度の報告が必要です。
目次
1.酒類販売業免許とは
| 根拠法 | 酒税法 第9条 |
|---|---|
| 申請先 | 販売場の所在地を管轄する税務署(相談窓口は、その税務署を担当する酒類指導官) |
| 費用 | 申請手数料なし。免許を受けるときに登録免許税(小売業免許3万円、卸売業免許9万円) |
| 標準処理期間 | 原則2か月(書類の補正にかかった期間は含まない) |
| 有効期間 | 期限の定めなし(更新は不要。ただし毎年度の報告などの義務あり) |
| 無免許販売 | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| ケース | 免許 |
|---|---|
| 飲食店で、お酒を店内で飲んでもらう(開栓して提供) | 不要(飲食店営業許可は必要) |
| 飲食店で、未開栓のお酒をテイクアウト用に販売する | 必要(一般酒類小売業免許) |
| 酒販店・スーパーなどで消費者や飲食店に販売する | 必要(一般酒類小売業免許) |
| ネットで2つ以上の都道府県の消費者に販売する | 必要(通信販売酒類小売業免許) |
| 酒販店・飲食店などの事業者に卸す | 必要(卸売業免許) |
飲食店が酒類の小売を兼業する場合は、飲食店と売場を分け、仕入・売上・在庫も帳簿上分ける必要があります。また、酒場・料理店などの接客業者は、原則として小売業免許を受けられない点にも注意しましょう。
出典:国税庁「酒類販売業免許の申請の手引」、国税庁「酒類の免許についてのQ&A」
2.STEP1:免許の種類を決める
| 免許 | 販売できる相手・方法 | ポイント |
|---|---|---|
| 一般酒類小売業免許 | 販売場で、消費者・飲食店などに販売(同じ都道府県内の消費者への通信販売も可) | 原則すべての品目を販売できる |
| 通信販売酒類小売業免許 | 2つ以上の都道府県の消費者に、ネット・カタログなどで販売 | 販売できるのは、輸入酒類と、年間の課税移出数量が3,000kl未満の製造者の国産酒など |
| 卸売業免許(8区分) | 酒販店・飲食店などの事業者に販売 | 全酒類卸・ビール卸は都道府県ごとの免許可能件数の範囲で、毎年9月に申請・10月に抽選。洋酒卸・輸出入酒類卸・店頭販売酒類卸などは抽選なし |
大手メーカーの国産ビール・日本酒などを全国にネット販売したい場合、通信販売酒類小売業免許では販売できないことがあります。取り扱う商品に合わせて免許を選びましょう。
3.STEP2:4つの要件を満たしているか確認する
| 要件 | 主な内容 |
|---|---|
| ① 人的要件 | 免許の取消しや、酒税法などの違反による罰金刑・拘禁刑以上の刑から3年を経過していること、申請前2年以内に国税・地方税の滞納処分を受けていないこと など |
| ② 場所的要件 | 販売場が、製造場・他の販売場・飲食店などと同じ場所でないこと。売場・従業員・代金決済が他の営業と明確に区分されていること |
| ③ 経営基礎要件 | 税の滞納がない、繰越損失が資本等の額を上回っていないなど財務の要件に加え、酒類の販売を適正に行える経験・知識(小売は酒類業への3年以上の従事、調味食品等の販売業の3年以上の経営など。経験がない場合は研修の受講なども含めて審査)、資金・設備があること |
| ④ 需給調整要件 | 実際に適用されるのは全酒類卸売業免許・ビール卸売業免許のみ |
経験がなくても申請できるか
一般酒類小売業免許の経験の要件は、酒類販売管理研修の受講や、これまでの事業経験などから総合的に判断されます。経験がない場合は、申請前に税務署の酒類指導官に相談しましょう。
4.STEP3:必要書類をそろえる
一般酒類小売業免許の主な書類は次のとおりです。
- 酒類販売業免許申請書と次葉1〜6(販売場の敷地の状況、建物等の配置図、事業の概要、収支の見込み、所要資金の額と調達方法、酒類の販売管理の方法に関する取組計画書)
- 酒類販売業免許の免許要件誓約書
- 申請者・役員の履歴書、定款の写し(法人)
- 地方税の納税証明書(未納がないこと、2年以内に滞納処分を受けていないことの証明)
- 販売場の賃貸借契約書などの写し
- 最終事業年度以前3事業年度の財務諸表(法人)
- 土地・建物の登記事項証明書(全部事項証明書)
- 申請書チェック表
e-Taxで申請する場合は、添付書類をPDFで提出でき、登記事項証明書は「照会番号」で代えることもできます。
5.STEP4:税務署に申請し、免許を受ける
- 販売場を管轄する税務署の酒類指導官に事前相談する
- 申請書を提出する(窓口・郵送・e-Tax)
- 審査を受ける(来署の依頼や販売場の現地確認がある場合も)
- 登録免許税(小売3万円・卸売9万円)を納め、領収証書(原本)を税務署に提出する
- 免許通知書を受け取る
- 酒類販売管理者を選任し、販売を開始する
標準処理期間は原則2か月です。店舗の開店日が決まっている場合は、補正の期間も見込んで早めに申請しましょう。
6.STEP5:酒類販売管理者を選任し、研修を受けさせる
- 小売業者は、販売場ごとに、販売を始めるまでに酒類販売管理者を選任する(選任しないと50万円以下の罰金)
- 選任できるのは、過去3年以内に酒類販売管理研修を受講した人
- 選任・解任したら、2週間以内に税務署に届け出る(怠ると10万円以下の過料)
- 選任後も、前回の受講から3年を超えない期間ごとに研修を受けさせる
7.免許後に守るべき主な義務
| 義務 | 内容 |
|---|---|
| 標識の掲示 | 販売場ごとに、酒類販売管理者の氏名などを記載した標識を掲げる(通信販売はカタログ・サイトに表示) |
| 20歳未満の者への販売防止の表示 | 売場に「20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない」旨を、100ポイント以上の文字で表示する |
| 記帳義務 | 仕入・販売の数量・価格・相手方などを帳簿に記載し、販売場に備え付けて保存する(閉鎖後5年間) |
| 毎年度の報告 | 毎年度(4月〜翌年3月)の販売数量と在庫数量を、翌年度の4月30日までに税務署に報告する |
| 異動の申告 | 販売場の移転には移転許可が必要。役員・名称などの変更は申告する |
8.申請から事業開始までのチェックリスト
上から順番に確認していけば、漏れなく手続きを進められます。
| やること | 確認 | |
|---|---|---|
| 1 | 売り方(店頭・ネット・卸)と相手を決め、必要な免許の種類を決めた | □ |
| 2 | 飲食店と兼業する場合、売場・帳簿を分ける方法を決めた | □ |
| 3 | 販売場を確保し、他の営業との区分を確認した | □ |
| 4 | 人的要件・経営基礎要件(税の滞納・繰越損失など)を確認した | □ |
| 5 | 経験・知識の要件について、酒類指導官に相談した | □ |
| 6 | 酒類販売管理研修を受講した(または受講予定を立てた) | □ |
| 7 | 必要書類をそろえた(e-Taxの場合はPDF化した) | □ |
| 8 | 税務署に申請し、審査を受けた | □ |
| 9 | 登録免許税を納め、領収証書を提出した | □ |
| 10 | 免許通知書を受け取り、酒類販売管理者を選任・届出した | □ |
| 11 | 標識・20歳未満の者への販売防止の表示をした | □ |
| 12 | 記帳と、毎年度の報告の準備をした | □ |
9.酒類販売・飲食と相性のよい代理店・FC募集
酒類販売業免許を取る会社は、酒販店・飲食店・EC事業者など、お酒を扱う事業を広げようとしている会社です。ビズリサーチには、家庭用ビールサーバーの販売代理店や、飲食店のフランチャイズなどの募集も掲載されています。飲食店を始める場合は、飲食店営業許可も必要です。
| 募集 | 内容 |
|---|---|
| 「DREAMBEER」テレマーケティング代理店募集 | 既存のお客様に提案できる家庭用ビールサーバー |
| すかいらーくグループ「トマト&オニオン」FC加盟店募集 | ファミリーレストランのフランチャイズ |
自社の代理店・FC加盟店を募集したい企業様へ
ビズリサーチは、会員を法人・個人事業主に限定した代理店募集・FC加盟店募集サイトです。掲載料金は定額プラン(月額25,000円)と成果報酬プラン(資料請求1件5,000円、月額上限50,000円)から選べます。
10.まとめ|酒類販売業免許は「売り方に合った免許の種類」を最初に決める
お酒を販売するには、販売場ごとに税務署長の酒類販売業免許が必要です。店頭なら一般酒類小売業免許、他の都道府県の消費者へのネット販売なら通信販売酒類小売業免許、事業者への販売なら卸売業免許と、売り方によって必要な免許が変わります。まずは売り方と取り扱う商品を決め、税務署の酒類指導官に相談したうえで申請しましょう。標準処理期間は2か月なので、販売開始日から逆算して準備することが大切です。
※本記事は2026年11月2日時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。手数料や必要書類は申請先によって異なる場合があるため、申請前に必ず申請先の窓口・手引きで最新の情報を確認してください。
■ 参考資料・出典
11 - 2.ネットでお酒を販売するにはどの免許が必要ですか?
2つ以上の都道府県の消費者に販売する場合は、通信販売酒類小売業免許が必要です。同じ都道府県内の消費者だけに販売する場合は、一般酒類小売業免許で行えます。