古物商許可の取り方【2026年最新】|必要書類・手数料19,000円・申請の流れから営業開始後の義務まで完全解説

中古品を買い取って販売する買取店やリユースショップ、ネットでの中古品販売などを始めるには、古物商許可が必要です。許可は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会に申請します。無許可で古物営業を行うと、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。
本記事では、警視庁など公式の案内をもとに、許可が必要かどうかの判断から、必要書類、申請手順、許可後に守るべき義務まで、営業開始までの流れを順番に解説します。
この記事でわかること
- 古物商許可が必要なケース・不要なケース
- 13の品目区分と申請前の準備
- 欠格事由と営業所・管理者の要件
- 個人・法人別の必要書類と取得先
- 申請から許可、営業開始後の義務まで
この記事の結論
中古品の買取・販売、委託販売、交換、ネットでの中古品販売などを行うには、主たる営業所を管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会の古物商許可を受ける必要があります。手数料は19,000円(警視庁の場合)、標準処理期間はおおむね40日で、有効期間はありません。申請には、許可申請書のほか、本人(法人は役員全員)と営業所の管理者の略歴書・本籍記載の住民票・誓約書・身分証明書、法人は定款と登記事項証明書が必要です。許可後は、取引相手の確認、取引の記録、標識の掲示、ネットでの許可情報の表示、変更届などの義務があります。
目次
1.古物商許可とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法 | 古物営業法 |
| 許可権者 | 都道府県公安委員会(申請窓口は主たる営業所の所在地を管轄する警察署の防犯係など) |
| 手数料 | 19,000円(警視庁の場合) |
| 標準処理期間 | おおむね40日(例:警視庁。行政庁の休日を除く。都道府県により異なる) |
| 有効期間 | なし(更新手続きは不要。ただし許可後6か月以内に営業を始めない場合や、6か月以上休業した場合は取消しの対象) |
| 営業所の数 | 1つの許可で、他の都道府県の営業所でも営業できる(営業所を増やす場合は届出が必要) |
出典:警視庁「古物商許可申請」、各都道府県警察の案内
2.STEP1:許可が必要かどうかを確認する
許可が必要な例
- 中古品(一度使用された物、未使用でも取引された物など)を買い取って販売する
- 中古品を買い取って修理・加工して販売する
- 中古品を買い取らずに、委託を受けて販売し手数料を得る
- 中古品を別の物と交換する
- 中古品を買い取ってレンタルする
- インターネット(自社サイト・フリマアプリ・オークション)で仕入れた中古品を販売する
許可が不要な例
- 自分で使っていた物、使うために買った物を売るだけ
- 無償でもらった物を売るだけ
- 自分が売った相手から、その物を買い戻すだけ
- 新品を問屋・メーカーから仕入れて販売するだけ
買取店のフランチャイズ、リユースショップ、中古車・中古機器の販売、ブランド品の買取などは原則として許可が必要です。判断に迷う場合は、営業所を管轄する警察署の防犯係に相談しましょう。
3.STEP2:取り扱う品目(13区分)を決める
申請時に、取り扱う古物の区分を選びます(主に扱う区分を1つ、ほかに扱う区分を複数選べます)。許可後に追加・変更する場合は届出が必要です。
| 区分 | 主な品物 |
|---|---|
| 美術品類 | 絵画、彫刻、工芸品など |
| 衣類 | 洋服、着物、布団など |
| 時計・宝飾品類 | 時計、宝石、貴金属、アクセサリーなど |
| 自動車 | 自動車、その部品 |
| 自動二輪車及び原動機付自転車 | バイク、その部品 |
| 自転車類 | 自転車、その部品 |
| 写真機類 | カメラ、レンズ、望遠鏡など |
| 事務機器類 | パソコン、コピー機、ファクシミリなど |
| 機械工具類 | 電気製品、工作機械、スマートフォン、ゲーム機など |
| 道具類 | 家具、楽器、CD・DVD、ゲームソフト、スポーツ用品など |
| 皮革・ゴム製品類 | バッグ、靴、毛皮など |
| 書籍 | 本、雑誌など |
| 金券類 | 商品券、乗車券、切手など |
※区分の具体的な振り分けは、迷う場合に警察署へ確認してください。
4.STEP3:欠格事由と、営業所・管理者の要件を確認する
許可を受けられない人(主な欠格事由)
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 拘禁刑以上の刑、または古物営業法違反・窃盗・背任・遺失物等横領・盗品等関与の罪で罰金刑を受け、刑の執行が終わってから5年を経過しない者
- 暴力団員、暴力団員でなくなってから5年を経過しない者など
- 暴力団対策法にもとづく命令・指示を受けてから3年を経過しない者
- 住居の定まらない者
- 古物営業の許可を取り消されてから5年を経過しない者
- 許可取消しの聴聞の公示後に許可証を返納し、返納から5年を経過しない者
- 心身の故障により古物商の業務を適正に行うことができない者
- 営業について成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
- 営業所ごとに管理者を選任すると認められない者
- 法人の場合、役員に上記に該当する者がいる場合
営業所の要件
- 営業の拠点として独立した管理ができる場所であること(自宅を営業所にすることも可能)
- 賃貸物件の場合は、古物営業に使用することについて貸主の了承を得ておくとスムーズ
- ネットだけで販売する場合も、営業所の届出は必要
管理者の要件
- 営業所ごとに管理者を1人選任する(申請者本人が兼ねることもできる)
- 管理者も欠格事由に該当しないこと
- 取り扱う品目について、不正品を見分けるための知識・技術を身につけるよう努める
5.STEP4:必要書類をそろえる
| 書類 | 個人 | 法人 | 取得先・注意点 |
|---|---|---|---|
| 許可申請書(古物営業法施行規則 別記様式第1号) | ○ | ○ | 警察のホームページから様式をダウンロード |
| 略歴書 | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 | 最近5年間程度の経歴を記載 |
| 住民票の写し(本籍・国籍等の記載があるもの) | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 | 住所地の市区町村。マイナンバーの記載は不要 |
| 誓約書 | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 | 欠格事由に該当しないことを誓約する書面 |
| 身分証明書 | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 | 本籍地の市区町村で取得(運転免許証などとは別物) |
| 定款 | — | ○ | 事業目的に古物営業に関する記載があることを確認 |
| 登記事項証明書 | — | ○ | 法務局で取得 |
| URLの使用権限を疎明する資料 | ネット取引をする場合 | ネット取引をする場合 | 自社サイトのドメインの登録情報など |
愛知県警のように、添付書類は申請日から3か月以内に発行されたものを求める県警もあるため、申請直前に取得しましょう。必要書類は都道府県によって細部が異なる場合があるため、事前に申請先の警察署へ確認すると確実です。
出典:警視庁「古物商許可申請」
6.STEP5:警察署に申請する
| 手順 | やること |
|---|---|
| ① 事前相談 | 主たる営業所を管轄する警察署の防犯係に電話し、申請日時や必要書類を確認する |
| ② 書類の作成 | 申請書・略歴書・誓約書などを作成し、添付書類をそろえる |
| ③ 申請・手数料の納付 | 警察署の窓口で申請し、手数料19,000円を納める(申請を取り下げても返還されない) |
| ④ 審査 | 書類審査や営業所の確認、聞き取りなどが行われる |
| ⑤ 許可・許可証の交付 | 許可されると警察署から連絡があり、許可証を受け取る |
都道府県によっては、オンライン(警察行政手続サイトなど)で申請できる場合もありますが、すべての手続きがオンラインで完了するとは限りません。申請先の警察署の案内に従いましょう。
7.STEP6:許可証を受け取ったら営業を始める前にやること
- 標識の掲示:営業所ごとに、所定の様式(紺地に白文字、縦8cm×横16cm)で「○○県公安委員会許可」「許可証の番号」「主に取り扱う古物の区分(例:道具商)」「氏名または名称」を記載した標識を見やすい場所に掲げる
- ホームページでの表示:ネットで取引する場合は、許可を受けた公安委員会名・許可証番号・氏名または名称をサイトに表示する(個人は氏名の表示が必要)
- 帳簿などの準備:取引の内容を記録する帳簿やデータベースを用意する
- 本人確認の方法を決める:対面・非対面それぞれの確認方法を社内で決めておく
- 特定商取引法の表示:ネット販売は通信販売に当たるため、事業者の氏名・住所・電話番号などを表示する
8.営業開始後に守るべき義務
| 義務 | 内容 |
|---|---|
| 取引相手の確認 | 古物を買い受けるときは、相手の住所・氏名・職業・年齢を確認する。古物商同士の取引やフリマアプリでの仕入れでも必要。非対面取引では法令で定められた方法で確認する(運転免許証のコピーを受け取るだけでは不十分) |
| 取引の記録 | 買受け・売却などの取引について、品目・数量・特徴・相手の情報などを帳簿等に記録し、最終の記載をした日から3年間保存する。対価の総額が1万円未満の取引は原則として確認・記録が不要だが、自動二輪車・原付(部品を含む)、ゲームソフト、CD・DVD等、書籍、2025年10月からはエアコンの室外機・電線・金属製グレーチングは金額にかかわらず必要 |
| 不正品の申告 | 盗品などの疑いがある場合は、直ちに警察官に申告する |
| 品触れへの対応 | 警察から盗品の手配(品触れ)があったときは、該当する品物の有無を確認する |
| 変更届出 | 営業所の新設・移転・名称変更などは変更しようとする日の3日前までに事前届出。役員・管理者・取扱品目・URLなどの変更は変更日から14日以内(登記事項証明書の添付が必要なものは20日以内)に届出 |
| 許可証の管理 | 許可証を紛失・汚損した場合は再交付申請、営業をやめた場合は返納 |
| 名義貸しの禁止 | 自分の名義で他人に古物営業をさせてはいけない |
| 宝石・貴金属を扱う場合 | 犯罪収益移転防止法の特定事業者として、本人特定事項の確認や疑わしい取引の届出などの義務がある |
出典:警視庁「古物商許可申請をされる方へ」
9.申請から営業開始までのチェックリスト
- 自社の取引が古物営業に当たるか確認した
- 取り扱う品目区分(13区分)を決めた
- 申請者(法人は役員全員)と管理者が欠格事由に該当しないことを確認した
- 営業所を決め、使用の了承を得た
- (法人)定款の事業目的に古物営業の記載があることを確認した
- 住民票(本籍記載)・身分証明書・登記事項証明書を発行3か月以内で用意した
- 略歴書・誓約書・申請書を作成した
- 警察署に事前相談し、申請・手数料19,000円を納付した
- 許可証を受け取り、標識を掲示した
- ネット取引の場合、サイトに許可情報を表示した
- 本人確認・取引記録の方法を決めた
買取・リユースのフランチャイズを検討している方は「フランチャイズ加盟店募集一覧」もご覧ください。
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※警視庁(東京都)のページです。東京都以外の方は、営業所がある都道府県警察のホームページで確認してください。
10 - 5.ネット販売だけでも許可は必要ですか?
仕入れた中古品を販売する場合は、ネットだけでも許可が必要です。サイトには、許可を受けた公安委員会名・許可証番号・氏名または名称を表示する義務があります。
11.まとめ|古物商許可は「申請から約40日」を見込んで早めに準備
中古品の買取・販売を始めるには、主たる営業所を管轄する警察署で古物商許可を申請します。手数料は19,000円(警視庁の場合)で、標準処理期間はおおむね40日です。役員全員と管理者の住民票・身分証明書など書類が多いため、事前に警察署に相談して準備を進めましょう。
許可後も、取引相手の確認、取引の記録、ネットでの表示、変更届などの義務があります。許認可が必要な他の事業は「許認可・届出が必要な事業一覧」で解説しています。
■ 参考資料・出典