産業廃棄物収集運搬業許可の取り方【2026年最新】|講習会・要件・費用・必要書類から許可後の義務まで完全解説

他社が出した産業廃棄物を運ぶ事業には、廃棄物処理法にもとづく産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。許可は、廃棄物を積み込む場所と荷下ろしする場所を管轄する都道府県知事(一部は政令市長)から受けます。
本記事では、廃棄物処理法の条文と、愛知県・千葉県などの手引き、日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の講習会案内をもとに、許可の取り方から事業開始後の義務までを順番に解説します。
この記事でわかること
- 産業廃棄物収集運搬業許可が必要なケース・不要なケース
- 申請先の決め方(都道府県・政令市)
- 講習会・経理的基礎・車両などの要件
- 申請手数料・必要書類・申請の流れ
- マニフェスト・車両表示など許可後の義務
この記事の結論
他社の産業廃棄物を運ぶには、積込み地と荷下ろし地の都道府県ごとに収集運搬業許可が必要です。JWセンターの講習会(収集・運搬課程)を修了し、経理的基礎・車両などの要件を満たして申請します。手数料は新規81,000円(愛知県の例)、有効期間は5年(優良認定は7年)。許可後は、マニフェストの管理、帳簿の保存、車体への表示などの義務があります。
目次
1.産業廃棄物収集運搬業許可とは
| 根拠法 | 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第14条 |
|---|---|
| 許可権者 | 積込み・荷下ろしを行う区域を管轄する都道府県知事(積替え保管を行う場合などは政令市長の許可が必要なことも) |
| 許可が不要な場合 | 排出事業者が自社の産業廃棄物を自分で運ぶ場合、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物(古紙・くず鉄など)だけを扱う場合 |
| 費用(新規) | 申請手数料81,000円(愛知県の例。更新は73,000円) |
| 有効期間 | 5年(優良認定を受けて更新した場合は7年) |
| 無許可営業 | 5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、または併科 |
許可を持たない業者に産業廃棄物の運搬を委託することも禁止されています。排出事業者から仕事を受ける際は、許可証の写しの提出を求められるのが一般的です。
家庭の不用品は「一般廃棄物」です
家庭から出るごみ(不用品)は一般廃棄物にあたり、産業廃棄物の許可では運べません。一般廃棄物の収集運搬には、市町村の許可などが必要です。不用品回収を考えている場合は、市町村に確認しましょう。
出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、愛知県「産業廃棄物処理業の許可申請」
2.STEP1:申請先(都道府県・政令市)を決める
収集運搬業の許可は、廃棄物を積み込む場所と、荷下ろしする場所の両方の都道府県で必要です。たとえば、愛知県で積み込んで岐阜県の処分場へ運ぶ場合は、愛知県と岐阜県の両方の許可が必要です(通過するだけの都道府県の許可は不要です)。
| ケース | 申請先 |
|---|---|
| 積替え保管をしない(運ぶだけ) | 積込み地・荷下ろし地の都道府県知事 |
| 積替え保管をする | 積替え保管施設がある都道府県知事、または政令市長(施設が政令市内にある場合) |
積替え保管(いったん自社の施設に下ろして保管し、まとめて運ぶこと)をする場合は、施設の基準が加わり、手続きが大きく変わります。まずは「積替え保管なし」で始めるのが一般的です。
3.STEP2:講習会を受講する
| 講習会 | JWセンター(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)の「新規許可申請に関する講習会」収集・運搬課程 |
|---|---|
| 時間 | 約12時間(2日間) |
| 受講料(税込) | オンライン講習:27,500円/会場講習:33,000円(2026年度) |
| 修了試験 | オンライン講習でも、修了試験は会場で受ける |
| 受講する人 | 法人の代表者、業務を行う役員、または契約を結ぶ権限を持つ使用人(申請先の運用による) |
講習会の修了証は、どの都道府県・政令市への申請にも使えます。講習は日程が埋まることもあるため、早めに申し込みましょう。
4.STEP3:要件を満たしているか確認する
| 要件 | 主な内容 |
|---|---|
| ① 講習会の修了 | STEP2の講習会を修了していること |
| ② 経理的基礎 | 事業を続けられる財務状況であること。直前3期分の決算書類などで確認する。設立3年未満の場合は、事業計画や中小企業診断士などによる経営診断書を求められることがある |
| ③ 施設(車両・容器) | 産業廃棄物が飛び散ったり、流れ出したりしない車両・容器を持っていること。乗用車は原則使えない。リース・レンタカーは長期契約が求められるのが一般的 |
| ④ 欠格要件 | 役員などが廃棄物処理法の欠格要件(一定の刑罰を受けてから5年を経過していない、暴力団員等など)に当たらないこと |
運ぶ廃棄物の種類(廃プラスチック類、がれき類、金属くずなど)ごとに許可を受けるため、どの種類を扱うかも決めておきます。
5.STEP4:必要書類をそろえる
- 許可申請書
- 事業計画の概要(運ぶ廃棄物の種類、運搬先、車両など)
- 講習会の修了証の写し
- 直前3期分の決算書類(貸借対照表・損益計算書など)と法人税の納税証明書
- 定款・登記事項証明書(法人)、住民票(個人・役員)
- 車両の車検証の写しと写真(車体の側面・後方など)、容器の写真
- 役員などが欠格要件に当たらないことの誓約書
証明書類は発行から3か月以内のものを求められるのが一般的です。書類や部数は申請先によって異なるため、各自治体の手引きを確認しましょう。
6.STEP5:申請し、許可証を受け取る
- 申請先の窓口に事前予約(予約制の自治体が多い)
- 申請書類を提出し、手数料を納める(愛知県の例:新規81,000円)
- 審査を受ける(愛知県の標準処理期間は39日。土日祝日と補正期間を除く)
- 許可証を受け取る
- 車両に表示をして、運搬業務を始める
複数の都道府県で許可を受ける場合は、それぞれの自治体に申請し、それぞれ手数料がかかります。
7.許可後に守るべき主な義務
| 義務 | 内容 |
|---|---|
| マニフェスト | 運搬が終わったら、排出事業者から交付されたマニフェスト(産業廃棄物管理票)に記入し、写しを送付・保存する。電子マニフェストにも対応 |
| 帳簿の備え付け | 運搬した廃棄物の種類・量・運搬先などを記録した帳簿を備え付け、保存する |
| 車両への表示 | 車体の両側面に「産業廃棄物収集運搬車」である旨、会社名、許可番号(下6桁)を表示する |
| 書面の携帯 | 運搬中は、許可証の写しとマニフェスト(電子マニフェストの場合は必要な情報)を車両に備え付ける |
| 変更届 | 役員・住所・車両などに変更があったら、期限内(愛知県は原則10日以内)に届け出る |
| 更新 | 有効期間は5年。期限が切れる前に更新申請をする(愛知県は期限の3か月前から受付) |
8.申請から事業開始までのチェックリスト
上から順番に確認していけば、漏れなく手続きを進められます。
| やること | 確認 | |
|---|---|---|
| 1 | 運ぶのが産業廃棄物か一般廃棄物かを確認した | □ |
| 2 | 運ぶ廃棄物の種類を決めた | □ |
| 3 | 積込み地と荷下ろし地の都道府県(申請先)を確認した | □ |
| 4 | 積替え保管をするかどうかを決めた | □ |
| 5 | JWセンターの講習会(収集・運搬課程)を修了した | □ |
| 6 | 決算書類などで経理的基礎を確認した | □ |
| 7 | 車両・容器を用意した(乗用車は原則不可) | □ |
| 8 | 役員などが欠格要件に当たらないことを確認した | □ |
| 9 | 申請先の手引きで必要書類を確認し、そろえた | □ |
| 10 | 窓口を予約し、申請・手数料の納付をした | □ |
| 11 | 許可証を受け取り、車体に表示をした | □ |
| 12 | マニフェスト・帳簿の運用ルールを決めた | □ |
9.廃棄物・リユースの周辺で始められるFC・代理店募集
廃棄物の収集運搬に関心がある会社の中には、「捨てる」前に「買い取って再販する」リユース事業や、清掃・ハウスクリーニング事業を組み合わせる会社も増えています。買取事業には、別途古物商許可が必要です。ビズリサーチに掲載中の募集から、関連する募集を紹介します。
| 募集 | 内容 |
|---|---|
| 買取大吉 FC加盟店募集 | 全国2,000店舗以上の買取専門店 |
| ICHIGO BIYORI FC加盟店募集 | 本部買取制度付きの総合買取FC |
| RELOOP STORE FC加盟店募集 | 24時間無人の古着屋・洋服屋 |
| 萬そうじ本舗 FC加盟店募集 | ハウスクリーニングと水まわりのトラブル解決 |
自社の代理店・FC加盟店を募集したい企業様へ
ビズリサーチは、会員を法人・個人事業主に限定した代理店募集・FC加盟店募集サイトです。掲載料金は定額プラン(月額25,000円)と成果報酬プラン(資料請求1件5,000円、月額上限50,000円)から選べます。
10.まとめ|産廃の収集運搬業許可は「申請先の確認」と「講習会」から
他社の産業廃棄物を運ぶには、積込み地と荷下ろし地の都道府県ごとに収集運搬業許可が必要です。まずは申請先と、扱う廃棄物の種類・積替え保管の有無を決め、JWセンターの講習会を早めに受講しましょう。経理的基礎や車両の要件、必要書類は自治体ごとに細かな違いがあるため、申請先の手引きを確認して準備を進めてください。許可後は、マニフェストや車両表示などの義務を守ることが、排出事業者からの信頼につながります。
※本記事は2026年11月2日時点の法令・公的機関の情報をもとに作成しています。手数料や必要書類は申請先によって異なる場合があるため、申請前に必ず申請先の窓口・手引きで最新の情報を確認してください。
■ 参考資料・出典