軽貨物(黒ナンバー)の届出方法【2026年最新】|貨物軽自動車運送事業の経営届出・安全管理者の選任から開業までを完全解説

軽バンや軽トラックを使って、お金をもらって荷物を運ぶ配送業(軽貨物運送)を始めるには、貨物軽自動車運送事業の経営届出を営業所を管轄する運輸支局に行い、事業用の黒ナンバーを取得する必要があります。届出の手数料はかかりません。
2025年4月からは安全対策が強化され、営業所ごとに「貨物軽自動車安全管理者」を選任し、講習を受けることが義務になりました。本記事では、国土交通省・各運輸局の案内をもとに、届出から黒ナンバーの取得、安全管理者の選任、開業後の義務まで、事業開始までの流れを順番に解説します。
この記事でわかること
- 軽貨物の届出が必要なケース
- 届出前に準備するもの(車両・車庫・運賃)
- 運輸支局での届出と黒ナンバーの取得
- 貨物軽自動車安全管理者の選任と講習
- 開業後に守るべき義務
この記事の結論
軽バン・軽トラック・125cc超のバイクで、運賃をもらって荷物を運ぶ事業を始めるには、営業所を管轄する運輸支局に貨物軽自動車運送事業の経営届出を行い、事業用の黒ナンバーを取得します。届出の手数料は不要で、経営届出書(2部)、運賃料金表(2部)、事業用自動車等連絡書、車検証を提出します。2025年4月からは、営業所ごとに貨物軽自動車安全管理者(講習修了者)を選任して届け出ること、業務記録・事故記録の作成、重大事故の報告、特定の運転者への指導と適性診断などが義務化されました(バイク便は安全管理者の選任不要)。
目次
1.貨物軽自動車運送事業の経営届出とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法 | 貨物自動車運送事業法 |
| 届出先 | 営業所の所在地を管轄する運輸支局(輸送部門など) |
| 費用 | 届出手数料は不要(ナンバープレート代などは別途必要) |
| 対象車両 | 軽自動車(軽バン・軽トラック)、125cc超の二輪車(バイク便) |
| 必要な人数・台数 | 1人・1台から開業できる |
| 2025年4月からの追加義務 | 貨物軽自動車安全管理者の選任・講習、業務記録(1年保存)・事故記録(3年保存)、重大事故の報告、特定の運転者への指導と適性診断など(バイク便は事故記録・事故報告のみ対象) |
他人から運賃をもらって荷物を運ぶ場合に届出が必要です。自社の商品を自社の車で運ぶだけなら届出は不要です。普通トラック(緑ナンバー)で運送する場合は、届出ではなく一般貨物自動車運送事業の許可が必要です。
出典:国土交通省、近畿運輸局 和歌山運輸支局、四国運輸局の案内
2.STEP1:届出前に準備するもの
| 準備するもの | ポイント |
|---|---|
| 車両 | 軽バン・軽トラックなど。車検証(新車の場合は車台番号がわかる完成検査証など)が必要。リースやレンタルも可 |
| 営業所 | 事業を行う拠点(自宅でも可) |
| 車庫 | 原則として営業所に併設(併設できない場合は営業所からの距離の基準あり。例:九州運輸局は2km以内)し、1両あたり8㎡以上で車両をすべて収容できる広さを確保する。使用権限があること |
| 休憩・睡眠施設 | 運転者が休憩できる施設を確保する |
| 運賃料金 | 距離制・時間制などの運賃料金を決め、運賃料金表を作る |
| 貨物軽自動車安全管理者 | 営業所ごとに1人選任(1人で事業を行う場合も必要)。選任前に講習を修了しておく |
具体的な基準は、各運輸支局が公開している「公示基準」で確認しましょう。地域によって細部が異なる場合があります。
3.STEP2:貨物軽自動車安全管理者の講習を受ける
- 安全管理者に選任する人は、国土交通大臣の登録を受けた講習機関で「貨物軽自動車安全管理者講習」を受講する
- 選任できるのは、選任の日前2年以内に講習を修了した人など
- 選任後は、2年ごとに「貨物軽自動車安全管理者定期講習」を受講する
- 講習機関の一覧は国土交通省のホームページで確認でき、申込みは各講習機関に行う
- 2025年4月以降に経営届出を行う事業者は、届出後、事業を開始するまでに速やかに選任する
出典:四国運輸局「貨物軽自動車安全管理者について」
4.STEP3:運輸支局に経営届出をする
必要書類
| 書類 | 部数・注意点 |
|---|---|
| 貨物軽自動車運送事業経営届出書 | 提出用・控え用の計2部。運輸支局のサイトまたは窓口で入手(窓口では無料配布) |
| 運賃料金表(運賃料金設定届) | 提出用・控え用の計2部 |
| 事業用自動車等連絡書 | 黒ナンバーの交付手続きに使う |
| 車検証 | コピー可。電子車検証の場合は、閲覧アプリで出力した自動車検査証記録事項を印刷したもの。新車は完成検査証など |
手順
| 手順 | やること |
|---|---|
| ① 書類の入手・作成 | 運輸支局のサイトから様式と記載例をダウンロードし、届出書・運賃料金表を作成する |
| ② 運輸支局に提出 | 営業所を管轄する運輸支局の窓口に提出する |
| ③ 控えの受け取り | 押印された届出書の控えと、事業用自動車等連絡書を受け取る。控えは事業を行っていることの証明になるため大切に保管する(再発行はできない) |
出典:近畿運輸局 和歌山運輸支局「貨物軽自動車運送事業の手続きについてのご案内」
5.STEP4:黒ナンバー(事業用ナンバー)を取得する
- 軽自動車(四輪)の場合は、運輸支局で受け取った事業用自動車等連絡書と車検証などを持って、軽自動車検査協会の事務所で事業用ナンバー(黒ナンバー)への変更手続きを行う(125cc超のバイクのナンバー手続きは、管轄の運輸支局に確認)
- 現在の黄色ナンバーを返納し、黒ナンバーの交付を受けて車両に取り付ける
- すでに黒ナンバーが付いている車両を譲り受ける場合は、その使用者についても手続きが必要
必要な持ち物や手数料(ナンバープレート代)は、管轄の軽自動車検査協会の案内で確認しましょう。
6.STEP5:安全管理者の選任届出と保険の加入
- 安全管理者の選任届出:安全管理者を選任したら、遅滞なく管轄の運輸支局に選任届出を行う(講習の修了証明書の写しなどを添付)。オンライン申請も順次運用されている
- 保険:自賠責保険に加え、事業用(黒ナンバー)に対応した任意保険への加入を検討する。自家用の任意保険は事業用に使えない場合がある
- 運送約款:国土交通省が定める標準運送約款を使う場合は、提出は不要
7.開業後に守るべき主な義務
| 義務 | 内容 |
|---|---|
| 安全管理者の講習 | 安全管理者に2年ごとに定期講習を受講させる |
| 点呼・健康状態の確認 | 乗務の前後に点呼を行い、運転者の健康状態や酒気帯びの有無をアルコール検知器で確認して、記録を1年間保存する(従来からの義務) |
| 業務の記録 | 運行ごとに業務の記録を作成し、1年間保存する |
| 事故の記録・報告 | 事故の記録を作成して3年間保存し、死傷者が出た事故などの重大事故は30日以内に運輸支局等を通じて国土交通大臣に報告する(特に重大なものは24時間以内に速報) |
| 運転者への指導・適性診断 | 運転者に安全運転の指導・監督を行う。初任運転者(適性診断を受けたことがない人)、65歳以上の運転者、死傷事故を起こした運転者には、特別な指導と適性診断の受診が必要 |
| 変更届 | 住所・車庫の変更、増車・減車、事業の廃止などは経営変更等届出書で届け出る |
| 整備管理者 | 10台以上の車両を管理する営業所は、整備管理者の選任届出が必要 |
義務の詳しい内容は、国土交通省「貨物軽自動車運送事業の安全対策の強化」のページやFAQで確認しましょう。
8.届出から開業までのチェックリスト
- 他人の荷物を有償で運ぶ事業で、軽自動車(または125cc超のバイク)を使うことを確認した
- 車両を用意し、車検証(または完成検査証)を準備した
- 営業所・車庫(1両8㎡以上)・休憩施設を確保した
- 運賃料金を決め、運賃料金表を作成した
- 安全管理者になる人が講習を修了した
- 運輸支局に経営届出書・運賃料金表・事業用自動車等連絡書・車検証を提出した
- 届出書の控えを受け取り、保管した
- 軽自動車検査協会で黒ナンバーに変更した
- 安全管理者の選任届出を行った
- 事業用の任意保険に加入した
- 点呼・業務記録・事故記録の運用を決めた
配送関連の代理店・業務委託の募集は「代理店募集一覧」から探せます。
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※届出書の様式は、営業所を管轄する運輸支局のホームページで入手してください。
9 - 3.貨物軽自動車安全管理者とは?
2025年4月から選任が義務化された、事業用軽自動車の運行の安全を確保する責任者です。国土交通大臣の登録を受けた講習機関で講習を修了した人を、営業所ごとに選任し運輸支局に届け出ます。選任後は2年ごとに定期講習を受けます。
9 - 6.開業後の義務は?
安全管理者の定期講習、業務記録・事故記録の作成と保存、重大事故の報告、初任運転者・65歳以上の運転者・死傷事故を起こした運転者への特別な指導と適性診断、増車・住所変更などの変更届が必要です。
10.まとめ|軽貨物は「届出は無料・安全管理者の選任が必須」
軽貨物の配送業を始めるには、営業所を管轄する運輸支局に貨物軽自動車運送事業の経営届出を行い、黒ナンバーを取得します。届出の手数料はかからず、1人・1台から始められます。
2025年4月からは、営業所ごとの貨物軽自動車安全管理者の選任と講習の受講、業務・事故の記録などが義務化されました。開業前に講習を受け、届出後すぐに選任届出を行いましょう。許認可が必要な他の事業は「許認可・届出が必要な事業一覧」で解説しています。
■ 参考資料・出典